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似ているようで実は大きな違いも多い。
家庭用コピー機と業務用複合機の違いや特徴と選び方
コピー機を導入したいけれど、「業務用複合機は高いから、家庭用コピー機を購入して使えないか?」と考えている方も多いと思います。
特に、事業を立ち上げたばかりの方や個人事業主の方、小規模事業を営んでいる方はそう考えるかもしれません。
しかし、家庭用コピー機と業務用複合機というのは、画質を決める要素だけでなく、機能面でも違いが数多く存在しています。
もちろん、業務内容などによっては、印刷物について人間の目で判別できる範囲を考えいけば、オーバースペックとなっていたり家庭用コピー機でも十分という場合もあるかもしれません。
今回は、そんな家庭用コピー機や業務用複合機のそれぞれの違いや共通点についてご紹介します。
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違いを決める要素
家庭用と業務用との違いは、いくつかの要素によって分けられます。
以下に、代表的なものをご紹介していきます。
印刷能力
業務用複合機は、そのカテゴリ名が示す通り、あくまでも業務に支障のない範囲での印刷能力となっています。
その分、他機能の充実を図りたいという、メーカー側の思惑もあるのかもしれません。
しかし、家庭用コピー機の中には、印刷能力に特化したモデルも多く、その差は具体化すると歴然としています。
とはいえ、印刷サイズの汎用性は複合機の方が格段に高く、ビジネスシーンを見越した機能が盛り込まれている傾向にあります。
具体的な比較点を、以下にご紹介していきます。
色合いの加減
まずは、印刷物の色合いの加減です。
濃淡一つとっても、家庭用コピー機はその鮮明度が異なります。
それは、趣味として撮った写真などのクオリティを、できる限り高く再現できるように作られているからです。
各企業のCMなどでも、写真プリントなど、印刷機能にスポットを当てている事からもわかります。
モデルによって、写し出される明るさや質感などが異なりますから、購入前に自分の嗜好に合うかどうかサンプルをチェックしておく必要があります。
このことから、家庭用コピー機はどちらかというと画像の印刷に特化していると言えるでしょう。
これに対して業務用複合機は、やはりビジネスを視野に入れた使い勝手を優先します。
画像も印刷できますが、鮮明というよりは輪郭がはっきりした印刷内容となります。
それは、文字や図形の印刷を優先しているようにさえ感じます。
原本の再現性も高く、にじみも少ないため、業務面での使い勝手はよいと言えるでしょう。
用紙サイズ
家庭用コピー機は、印刷用紙の上限がA4紙となっていることが多く、使い勝手の面で制限を受けることが多いようです。
A3対応の家庭向けプリンターなども販売されていますが、コピーはできないというモデルも多いため、業務用の延長として使うのは厳しい分野も出てきます。
これに対し、業務用複合機であれば、A3・B4・A4・B5サイズの印刷が基本として備わっており、小さなモデルであっても用紙の大きさをある程度自在に変えられるため、用紙選びの幅は広いと言えるでしょう。
A4サイズ・A3サイズのニーズについては、業務内容に応じて変わってきますから、A3サイズで印刷できないことが必ずしも大きな評価基準となるわけではありません。
画像を使った資料作成の機会が多い方以外は、A4サイズで十分とも考えられますし、逆の立場で言えばB5・B4サイズの印刷を削ってでもA3を取り入れたいこともあるはずです。
導入する際には、社内の用途をしっかりと確認したうえで選びたいところです。
解像度
コピー機・複合機で取り扱う画像のデータは、ドットと呼ばれる小さな点の集まりによって構成されています。
もちろん、その中には色などのデータも含まれています。
この点の密度は「解像度」と呼ばれ、点が細かければ細かいほど解像度が高いものとされます。
解像度の単位は、dpi(dots per inch)になります。
dpiというのは、1インチ(約2.54 cm)に対して、どれだけの点が集まっているかを示す単位です。
プリンター・コピー機・複合機の印刷能力を示すために、家電量販店などで数値が表示されていることもあります。
解像度の上限については、家庭用コピー機の方が圧倒的に高性能です。
これは、写真の印刷など趣味の面で使われることを想定した構造になっていることが、大きな理由と思われます。
しかし、もちろん用途によって、そこまでの解像度が必要かどうかは分かれてくるでしょう。
業務用複合機を使うことを考えている方であれば、画像の鮮明な印刷はそれほど必要ないケースも出てきます。
能力差の一つとして検討の余地はあったとしても、あくまでも自分が使いたい機能が備わっているかどうかを基準にした方が賢明です。
塗料の違い
家庭用コピー機と業務用複合機との大きな違いの一つが「塗料」です。
具体的に言えば、インクかトナーかの違いになります。
ここからは、塗料の違いに触れていきます。
家庭用コピー機はインクタイプが主流
家庭用コピー機は、微細な色合いを実現するため、塗料にインクを採用しています。
メーカー・モデルにもよりますが、4色もしくは6色のラインナップがほとんどです。
4色モデルは、ブラック(黒)・イエロー(黄色)・シアン(濃い水色)・マゼンダ(濃いピンク色)がスタンダードで、これらを組み合わせてカラー印刷を行います。
6色モデルは多少使われている色が違い、2通りのモデルとなります。
- 4色にライトシアン、ライトマゼンタが加わったもの
- 4色にグレイ、ブラックが加わったもの
ここで疑問になるのが、黒がもうすでにあるのに、ブラックを新たに加えているモデルです。
2種類の黒を用意することで、印刷においてどのようなメリットがあるのでしょうか。
その答えは、インクの種類にあります。
インクの種類は大きく分けて2種類
家庭用コピー機で使われるインクの種類は、大きく分けて顔料タイプと染料タイプに分けられます。
顔料タイプのインクは、紙の表面にインクが定着するタイプのインクで、インクと言いつつも着色に用いる粉末が100%水に溶け切っていない状態となっています。
その特徴から、紙の表面に線や色がはっきりと表現され、文字を印刷するのに適しています。
また、使用する用紙を特段選ばないので、再生紙や裏紙印刷なども行うオフィス向けの塗料になります。
これに対して染料タイプは、着色用の粉末粒子が溶剤に溶け切ったインクとなります。
紙に染み込み仕上がりが鮮やかなことから、写真の印刷などに適しています。
ただしその分、乾かすための時間を要します。
家庭用コピー機で使われている塗料の多くは染料タイプのため、文字印刷を多用するオフィスユースとは相性が悪い傾向にありました。
そしてメーカーは、その弱点を克服するため、異なる2種類のインクで黒を用意したのです。
顔料・染料それぞれのメリットを取り入れた家庭用コピー機を使うことで、オフィスユースでも業務用と大きく変わらない印刷を実現できるようになり、選択肢の幅を広げました。
業務用複合機はトナーを使うのが一般的
業務用複合機の場合は、塗料としてトナーを使うのが主流になります。
トナーは簡単に説明すると「粉になったインク」のことで、容量自体がインクに比べてかなり多く、1度トナーカードリッジを交換すれば大量の印刷が可能になります。
モデルにもよりますが、大量印刷という性質上、高速印刷がしやすいという特徴も兼ね備えています。
主にレーザーを使う機種で使われ、静電気の力でトナーインクを用紙に付着させたあと、熱・圧力によって紙への印刷を行います。
弱点としては、トナーカードリッジ1本あたりの価格が高く、家庭用コピー機に比べると画像の再現性に劣ることなどが挙げられます。
また、写真を印刷するような用途には向かず、インクカートリッジに比べると品質が劣る点にも注意が必要です。
他には、長期保管した際に不具合が起きやすいという特徴もあります。
とはいえ、高額なだけに容量も多いですから、1枚あたりで換算するとインクカートリッジよりも印刷料金は安くなります。
ビジネスユースのメインとなる、文書・図面の大量印刷を行う際には、コストカットや時間短縮に役立つでしょう。
多機能性
家庭用コピー機は、基本的にプリンターの機能を拡張したモデルと考えてよいでしょう。
プリンターに紙媒体のコピー機能・スキャン機能が追加されたイメージになります。
これに対して、業務用複合機の場合は圧倒的に多機能です。
コピーはもちろん、両面印刷など数多くの印刷方法を選択できること、FAX機能、スキャナ機能、PC連携フォルダなどなど、基本性能に加えてさまざまなオプション機能の追加も可能です。
これは、オフィスで働く複数人の仕事を支えるために用意された機能と考えてよいでしょう。
個人で使うか、複数人で使うかによって、ニーズが分かれてくることになりそうです。
ラインナップによる違いはどうか
家庭用コピー機と業務用複合機とを比べた際、ラインナップによって何らかの違いはあるのでしょうか。
結論から言えば、本質的に用途が異なる二つの機械ですから、まったく同じような使い方をするのは難しいと言えそうです。
家庭用コピー機が持つ解像度の高さは、ビジネスで使う場面が限定される
多くの会社において、オフィスユースで解像度を意識する場面はそう多くないものと思われます。
資料の作成にあたり重要なのは、画質の良さよりも文字やグラフなどをはっきりと表現できるレベルの印刷機能だからです。
意外かもしれませんが、家庭用コピー機に搭載されている機能について言えば、解像度はすでに人間の目で認識できる限界を超えているのです。
数値で具体的に表せば、解像度が300dpi以上の印刷物は、一部の人を除いてほとんどその違いを認識できないと言われています。
家庭用コピー機の解像度は、上を言えば9000dpi以上という非常に高い数値になります。
しかし、誤解を恐れずに言えば、ここまでの機能はオフィスユースでは「オーバースペック」というより不必要な機能でもあります。
よって、芸術・デザイン関係といった、一部の特殊な仕事で使うケース以外は、解像度の高さはそれほど問題にする必要はなく、むしろ逆にオフィスユースに必要な機能が備わっていないという事になってしまうのです。
業務用複合機とコストの問題
このように、機能面での違いを比べていくと、業務用複合機を使うことを検討する方が増えてくると思います。
問題はそのコストです。
業務用複合機を手に入れるための選択肢は、大きく分けて購入・リース・レンタルの3種類に分かれます。
家庭用コピー機を比較対象としている方であれば、予算面で考えると、リースよりも購入・レンタルが現実的かもしれません。
家庭用コピー機であれば、50,000円も出せばそれなりの機能のものが手に入ります。
しかし、業務用複合機ともなると、中古で100,000円が相場観としては最低ランクになります。
リースとなると、もちろん契約する機種のランクによって変わりますが、毎月の支払いが1万円前後といった支払いを数年間するという形になります。
自分がどれだけの金額を出費できるのかが、選択における分岐点となってくるでしょう。
どこまでの機能が欲しいのか
家庭用コピー機と業務用複合機とを比べるユーザーの多くは、おそらく小規模事業の経営であることがうかがえます。
事務系の部署を持つ一般的なオフィスを持つ事業規模なら、最初から業務用を選択しているからです。
よって、どちらを購入するかについては、自社で使用する場面をしっかりと把握しておく必要があります。
- 得意先・顧客とのやり取りは、FAXなのかメールなのか
- 印刷物の質にこだわるべきか、それとも不要か
- スキャン機能は必要か、不要か
- 頻繁にある程度の量の印刷を行うかどうか。
このような条件を、一つひとつ候補となるモデルに当てはめてイメージしておけば、機種選びに失敗する可能性は少なくなります。
この記事のまとめ
家庭用コピー機と業務用複合機のどちらを選ぶかについては、これから使用する環境に大きく左右されると言えます。
基本となるコピー機能や画像・文書の印刷機能はもちろん、相手先とのやり取りや社内でのデータ共有といった観点からも、機種選びを行う必要があるからです。
印刷はそれほどしないけどFAXやスキャンの頻度は多いという方であれば、業務用ではなく家庭用規模の複合機を選ぶという選択肢もありますし、逆に印刷量が多いのであれば、モノクロ印刷に特化した複合機を選ぶという方法もあります。
過去に使用していた機種・機能のことは考えずに、ゼロベースで自社の使い勝手を考えることで、希望のモデルを手に入れてくださいね。
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