今では大きく変わったコピー機との接続方法。
有線・無線、Bluetooth接続などのメリットとデメリット

現代のオフィス環境において、パソコンとコピー機は基本的に繋げて仕事をするスタイルが一般的です。
一台のパソコンと一台のコピー機とをつなぐだけであれば、それほど難しくないかもしれませんが、これが複数台になってくると、接続をいろいろと工夫しなければなりません。

今回は、オフィスにコピー機や複合機を新たに導入する場合や、引っ越す際などに悩む、パソコンとコピー機のつなぎ方について基本的なことをまとめています。

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有線で接続する方法

どのような機器においても言えることですが、やはり有線による接続が全ての基本となります。
小規模なオフィスであれば、あえてネット環境において、ルーターを導入して無線化しなくても、配線だけで十分対応可能な場合もあります。

もっとも基本的なものはUSB接続

難易度が低いのは、コピー機とパソコンのUSBコネクタを、USBケーブルを使って接続する方法です。
オフィスでは複数人が働いていることから、ケーブルでつないだパソコンとコピー機同士が1台だけ相互関係になっても、他の人がつながらないため、あまり現実的な方法ではありません。

しかし、インターネットの接続状況に環境が左右されないため、ネットワークが不調をきたした場合は重宝する方法です。
かなりアナログな方法にはなりますが、USBメモリを使って、あるパソコンに存在するデータをコピー機とつながっているパソコンに移し替え、印刷を試みることも可能です。

何かトラブルが起こった場合に備え、頭の片隅には入れておいた方がよいでしょう。

有線LAN接続を使って複数のパソコンでコピー機を共有

USBケーブルによる接続では、残念ながら1人オフィスなどであれば問題ありませんが、オフィス内で複数人が使用するシチュエーションには向いていません。
そこで使われる方法が有線LANです。

まず、モデムと有線ルーターにLANケーブルをつないで、インターネットとの接続を確保します。
次に、有線ルーターと「ハブ」と呼ばれる中継地点の役割を果たす機器とを、LANケーブルでつなぎます。

各パソコンにドライバをダウンロードする際にも、インターネットにつながっていますからスムーズです。
そのあと、各パソコン・コピー機をLANケーブルでハブとつなげば、つながった分のパソコンでコピー機を使用できます。

複数人が同時にコピー機を使用する場合は、もっともスタンダードな方法の一つとなるでしょう。

注意点としては、線が届く範囲までしかつなげないということ

有線LANは、電波状況に左右されずインターネットが使えますし、パソコンとコピー機との接続状況もストレートです。
しかし、物理的な弱点があり、線が届く範囲までしかつなげません。

理論上、ハブを机の島ごとにつなげて使えば、ケーブルの続く限り接続を拡張できます。
しかし、その分長くなったケーブルが、オフィスの機動性を阻害することになります。
要するに「ケーブルが邪魔」になるのです。

古いパソコンを使っている環境ではWi-Fiが使えないこともありますから、有線LAN以外に選択肢のないオフィスもあるかもしれません。
その場合は、極力配線が一つの箇所でからまないよう工夫し、配線バンド(結束機)などを活用して邪魔にならないようにしましょう。

無線LANで接続する方法

今のオフィス環境では、どちらかというとこちらが主流になりつつあります。
パソコンの高性能化によって、無線LANの導入は多くのオフィスでスタンダードとなりました。

実際にオフィスで接続する場合にも、やはり有線と比べてもメリットは大きいと言えます。

電波の届く範囲であれば、どこでもコピー機の使用が可能

オフィスによっては、1階が広く設けられており、有線で接続すると非常に面倒になるケースは少なくありません。
有線の場合、オフィスレイアウトが少し特殊だと、なおさらそのケーブルが影響受けやすくなります。

一方、無線LANで接続する場合は、基本的に電波の届く範囲であれば、どこでもパソコンからコピー機が使用可能になります。
パソコン本体に無線LANスイッチがついているタイプであれば、Wi-Fi受信機を使わなくても接続が可能です。

もちろん、無線LANが内蔵されていないパソコンであっても、Wi-Fi受信機を使えばコピー機に接続できます。
また、コピー機本体の配置を考えるうえでも、無線LANはメリットの大きい方法です。

有線の場合、距離がどうしても限られてしまうことから、オフィス内の配置が限定されます。
そのため、オフィスの広さや間取りによっては、給湯室の中など使いにくい部分に配置せざるをえず、かえって使い勝手が悪くなることもあります。

無線LANを採用していれば、基本的にケーブルの長さに左右されることなく、オフィスにおいてもっとも使いやすいレイアウトを実現できます。

パソコンだけでなくスマホやタブレットからコピー機へアクセス可能に

無線LANでの接続機能さえあれば、どのような端末であってもルーターを経由してコピー機へのアクセスが可能になります。
パソコンはもちろん、スマホやタブレットからもアクセスできるため、営業先から戻ってすぐにデータを印刷することも可能です。

IT系ではよくある光景ですが、打ち合わせ時や会議の際のメモなどをスマホなどで撮ってそのまま印刷といった事も可能です。
コピー機を使うにあたり、印刷のための端末を選ばないというのは、思ってる以上に大きな利点になります。

現代においては、デスクトップパソコンとノートパソコンの性能差がオフィスユースにおいて大きく異なるという状況は、少なくなってきています。
テンキー付きのモデルも増えてきており、内勤者であってもノートパソコンを使うケースが見られます。

同様に、タブレットにもキーボード・マウスを付けることで、ノートパソコンと大きく変わらない使い勝手が実現できるようになってきました。
外勤者が会社に戻ってから、わざわざデータをデスクトップに移し替える手間を考えれば、もともと使っていた端末をそのまま室内で使えた方が効率は良いはずです。

無線LANは、社員の自由度も上げてくれるのです。

手続きが煩雑になりがちというデメリットも

このように、無線LANには数多くのメリットがあるのですが、どうしても手続きが煩雑になりがちです。
特にITに強い企業やスタッフが多い会社なら問題ないかもしれませんが、非IT系企業やスタッフが多い場合、手間取る事も多くなる可能性があります。

以下に、その代表的な理由をまとめています。

無線ルーターに接続するためのID(SSID)とパスワード入力

無線LANは、モデムとルーターをケーブルでつなぐところまでは、有線LANと一緒です。
その後、無線LANでインターネットに接続するためには、それぞれのルーターで決められたID(SSID)とパスワードを入力する必要があります。

無線LANの子機が内蔵されている機種であれば、電源を起動した段階で電波を拾い、入力画面が開かれます。
しかし、パソコン側の不具合で開かなかったり、そもそも子機が内蔵されていなかったりする場合、それぞれで対応を考えなければなりません。

前者なら設定画面を確認する必要がありますし、後者ならWi-Fi受信機の設定後にID・パスワードを入力することになるでしょう。

また、最初の設定が終わった後など、新しくパソコンを買い換えたり入れ替えた際など、そういえばIDとパスワードはなんだっけ?となってしまう事もありえます。

コピー機側の設定をどうするか

パソコン自体はネットワークとつながっていますが、これだけではまだ不十分です。
コピー機側にも設定をし、Wi-Fiに接続させなければ、ネットワーク上でコピー機を使用することはできないのです。

多くのオフィスでは、コピー機を運んできてくれた段階で、業者が設定を行ってくれていると思います。
しかし、無線LANの子機が作動しているコピー機ならば、自分で設定することも可能です。

メーカーによって細かい部分に違いはありますが、本体側の液晶からメニュー画面を選択し、ネットワークに関する項目を選びます。
すると、接続したいSSID(ルーター)が表示されますから、それを選べば接続されます。

もし、接続したいSSIDが表示されない場合は、取扱説明書やメーカー情報を確認して、再度初期設定を行う必要があります。

コピー機と直接つなげないのか

Wi-Fi接続が面倒だと考えた場合に、ネットワークとつなぐのではなく、直接コピー機とパソコンをつなげないのかという声も出てきます。
結論から言えば、そのような接続方法も存在します。

「アドホックモード」と呼ばれるもので、ネットワークを経由せず、パソコン・コピー機お互いの無線LAN機能を使ってプリンターに直接データを送信する方法です。

こちらは、場合によっては有線LANのままの環境でも使える利点があるのですが、設定が複雑なうえ、一部OSでは起動できないなどの不具合もあることから、万人におすすめできる方法ではありません。

もし行うならば、緊急時の対応として考えておくべきでしょう。

Bluetoothで接続する方法

コピー機とパソコンとの接続には、Bluetoothを使った接続方法もあります。
Bluetoothとは、無線通信の規格の一つであり、国際標準規格となっています。

日本では2000年代から普及し始めた技術ですが、一度も使ったことがないというユーザーも少なくありませんが、スマホの普及に伴いある程度の知名度を獲得しつつあります。

どのような形で使える技術なのかを想像するには、Bluetoothイヤホンなどが想像しやすいかもしれません。
ワイヤレスで音楽データを送信できることから、ケーブルがからまらずに音楽を楽しめます。

消費電力もWi-Fiに比べて少ないため、長時間使用に向いている方法と言えそうです。

無線LANと違ってルーターを必要としない

Bluetoothは、無線LANを使うときのように、ルーターを経由せずやり取りができます。
よって、コピー機・パソコンだけで通信が成立します。

手軽に使える家庭用規模であれば、十分使用可能な選択肢です。

ただし、使える条件に制限がある

これだけを見ると、非常に便利で利便性も高くBluetoothをつ絵カバ良いのでは無いかと思いたいですが、Bluetoothはパソコン・コピー機それぞれに機能が備わっていることが使用上の前提条件となります。

しかし、使用できる条件にいくつか制限があります。

通信速度は遅め

Bluetoothは、通信速度がWi-Fiよりも遅いという難点を抱えています。
本来、1対1での通信を想定して作られていることから、手軽さはあっても高速化などに対応した規格ではないのです。

よって、キーボード・マウスといったパソコンの周辺機器のように、一度に取り扱うデータ量が少ない機器であれば問題なく動きます。

しかし、コピー機はそれ相応の大きさもあれば、やり取りするデータも文字・画像といったデータになってきますから、多少ストレスを感じる通信の遅さになるのは否めません。

コピー機自体にBluetooth機能がなければ使えない

ルーターを介さないということは、パソコンだけでなくコピー機自体にもBluetooth機能が必要になるということです。
もし、機能が備わっていなければ、後付けで受信機を付ける必要があります。

あまりニーズが高いわけでもないため、比較的高機能なコピー機にしか付いていない場合があります。
しかし、そこまでの投資をするのであれば、無線LANネットワークを構築した方が早いかもしれないという結果になってしまう事もあります。

使える距離が短く10m以内

Bluetoothは、無線LANと違って、距離が非常に短く、使用できる最大距離が「概ね10m以内」となります。
10メートルと書くと、それなりに長い距離に感じるかもしれませんが、あくまでも最大範囲であり、距離が遠くなるにつれてスピードも遅くなります。

実際のオフィスであれば10メートルというのは以外と到達してしまうものです。
また、機器自体の最大出力によっても通信距離が変わってきますから、その点もデメリットと言えそうです。

この記事のまとめ

一昔前までは、コピー機への繋ぎはケーブルが一般的でした。
しかしながら、無線という手段が一般化してきたことで、パソコンとコピー機との関係は大きく変わりました。

最近ではスマホ、タブレット、ノートパソコンと仕事の仕方や使う端末なども多岐に渡ります。
必ずしも、デスクトップパソコンだけで仕事をするという時代ではありません。

そういった環境においては、やはり無線接続ができるコピー機のメリットや利便性は高くなります。
しかし、もちろん有線だからこそ得られるメリットもあることから、状況に応じた接続方法を確保しておくことも大切です。

オフィスの環境・人員を勘案し、日々の管理ができる限り簡単な方法を選ぶようにしましょう。

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