コピー機の入れ替え時に代理店だけ変えて、
今と同じメーカーのコピー機に入れ替えする事は可能?

コピー機のリース契約を担当した代理店の対応に不満があった場合・会社の移転などにより近場の代理店を利用したい場合など、新しい契約につき別の代理店を介して行うケースは珍しくありません。

その際、現在お世話になっている代理店をやめて新しい代理店に依頼するなら、1点大きな注意事項があります。

現在の代理店を通してリースしたメーカーのコピー機は、原則として、別の代理店を通してリースすることができません。
メーカーを変えたくないのであれば、代理店を変えることができないルールとなっているのです。

つまり、現在富士ゼロックス製のコピー機をリースしていて、引き続き富士ゼロックス製を利用したいと考えているなら、代理店を変えてはいけないということです。
このルールは明確に法文化されているわけではなく、言わばOA機器業界の慣習とも言えるものですが、代理店側としては無視できるわけでもないので非常に面倒です。

ただ、すべてのメーカーにつき同様のルールが適用されるとは限りませんので、最初のリース時にどのメーカーを選んだかによって、選べる選択肢が変わってきます。
この記事では、そんなOA機器業界の独特のルールに触れつつ、代理店だけ変えて現在使用しているメーカーのコピー機を入れ替える方法をご紹介します。

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同じ代理店でなければ同じメーカー品を入れ替えできない理由とは

はじめに、OA機器業界の長年の慣習である「同じメーカーのコピー機を使い続けるのであれば、代理店は同じところでならない」というルールは、どのようにして生まれたのかについて解説していきます。

コピー機のリースは長期間の契約となることが多く、かつ関与する企業が多いことから、長年にわたりルールの変更がなされていないものと推察されます。

メーカーは代理店に恩があり、代理店はメーカーに恩を着せる構図がある

ある代理店で取引されたメーカー品につき、同じユーザーに対して同じ代理店だけが取引を継続できるルールは、もちろんユーザーの側から要望があったわけではありません。

このようなルールを取り入れたのはメーカー側であり、どちらかというとメーカー自身の立場を守るために取り入れられたルールと考えてよいでしょう。

ルール構築の背景としては、OA機器業界の売上が伸びていく過程で、キャリアの長い代理店の優秀な担当者が権限を強めたことにより、全国共通でこのルールが適用されているという意見があります。

当時の担当者などが役職と権力を得て、自社のユーザーを手放さないためにルール作りをしたという視点でルールを紐解いていくと、納得できる部分は多いでしょう。

もし、ユーザーが代理店AとメーカーAのリース契約を結んでから、次回の契約を代理店Bで結ぼうと試みると、代理店Bが代理店A側から妨害を受けるおそれがあります。

具体的には、代理店Aがメーカーにクレームを入れる、代理店B側に契約破棄の訴えを起こすなど、面倒な事態に発展することが予想されます。

こういったトラブルに発展することを危惧してか、半ば暗黙の了解として、ほとんどのケースで上記のルールが適用されます。
言い方は悪いですが、メーカー側が諸々の面倒事を避けるため、浸透させたルールと言えるかもしれません。

もちろん、メーカーに悪気があるわけではなく、中にはこのルールがなければもっと売上が伸びると考えているところもあるでしょう。
ユーザー側としても、今より安く同じメーカー品を契約できるなら、その方が嬉しいという意見は多いはずです。

このルールがユーザー・メーカーのためになっているかどうかはともかく、業界全体に浸透した強いルールであることは間違いなさそうですから、逆らわないのが無難と言えそうです。

まとめると、メーカーは代理店の功績に恩があり、代理店はメーカーにそれをアピールしている構図が見て取れます。

無理やりルールを破ったらどうなるのか

代理店の指定に関するルールは、法文化されているわけではないので、破ったからといって取り調べを受けることはないでしょう。
しかし、OA機器業界では広く通用するルールのため、ルールを冒せば代理店として営業することが難しくなる可能性があります。

実際に問題が発生するタイミングは、地域によって差があるものと予想されます。

ただ、契約時もしくは契約後に妨害が発生する状況を考えると、せっかく契約したユーザーに迷惑をかけてしまうおそれがあり、なかなか代理店としても提案するのは難しいようです。

ユーザーだけでなく、契約に進んだ代理店側も信頼を損ない、敵をたくさん作ることになってしまいます。

現代ではSNSによる告発など、契約破棄などを訴える代理店側にも悪い評判が立つリスクがあり、その場合はより陰湿な嫌がらせに発展することも想定しておかなければなりません。

公正取引委員会の見解はどうか

こういった業界ルールの現状について、独占禁止法上の問題は気にする必要がないのでしょうか。
実は、公正取引委員会でも同様の問題に関する相談が公開されています。

※参考URL
https://www.jftc.go.jp/dk/soudanjirei/ryutsutorihiki/seigen/seigen4.html

相談内容をかんたんにまとめると、

『代理店側が長年フォローしてきたユーザーに対して、別の代理店が売り込みをかけた場合、ユーザー側から「販売代理店変更の理由・署名が書かれた書面」ををもらってメーカーに提出しなければならない』

というルールは独占禁止法上問題ないか、という相談です。
ちなみに、こちらの相談者はメーカーです。

メーカー側の言い分は、既存の販売代理店に対して理由を説明できることに加えて、サービス内容の向上が期待できるから、とのことです。

しかし、公正取引委員会側はこの言い分について、直ちに独占禁止法上問題となるわけではないとしながらも、制限を課すことによって販売事業者の自由な事業活動が制限されたり、新規参入が困難になったりするような状況が見られれば、独占禁止法上問題となるおそれがあると回答しています。

もし、慣習の撤廃が法文化されれば、ユーザーにとっては面倒事が減り嬉しいところです。

現段階では代理店を一緒にするしか方法がない?

公正取引委員会の動向次第でルールは変わるかもしれませんが、この記事を公開する段階においては、同じメーカーのコピー機・複合機を入れ替えるためには「同じ代理店」を選ぶ必要があります。

ただ、いかなる場面でもそのルールが適用されるとは限らず、一部例外も認められています。

続いては、違う代理店で今までと同じメーカーを契約することが認められる場合について、いくつか例をご紹介します。
自社が当てはまる場合は、一度検討してみる価値はあるかもしれません。

支店・営業所を増やす場合に新規契約をするケース

新規の契約がOKとはいえ、同じ営業所やオフィスにコピー機を追加するのは、認められない可能性があります。
そもそも、同じ営業所・オフィスにコピー機を追加するのであれば、同じ代理店を通さなければ不自然に感じられるはずです。

しかし、支店・営業所などを増やす場合は、必ずしも現在契約している代理店に依頼することがベストな選択とは言い切れません。
地域に根差した別の代理店に依頼した方が、手厚いサービスを受けられることもあるでしょう。

一方で、支店・営業所はそれぞれ別のメーカーを使うとなると、備品管理や社員のユーザビリティの観点で悪影響が生じます。
よって、支店・営業所を出した場合は、基本的に別の代理店と同じメーカーを契約することが認められています。

ただ、自社の作業効率を高めるため、新規で別の代理店と同じメーカーを契約しようとしたときは、本当にその台数が必要か確認が入ることもあるようです。

代理店の対応に大きな不満があるケース

多くの代理店は、ユーザーに対して相応のサービスを提供してくれるものですが、中には著しく満足度が低い代理店があるのも事実です。
数としては少数派ですが、代理店の対応のひどさから代理店を変えたいとき、一部は希望が認められることもあるようです。

具体的には、メンテナンス対応がずさんだったり、故障・トラブル時のスピードが極端に遅かったりするケースが該当します。
その他、電話がつながらないなど、日々のやり取りにも支障をきたすレベルであれば、メーカーにその旨を訴えることで変更が認められる場合があります。

代理店との関係が途絶えたケース

新型コロナ禍における経営状況の悪化などにより、代理店が倒産してしまうことも、現代では決して珍しくありません。
そうなると、必然的に今後の契約は別の代理店に依頼しなければなりませんから、新し代理店で同じメーカー機の契約をしても差し支えありません。

ただ、このケースに限っては、予測を立てて新規の契約を考えるのは難しいでしょう。
あくまでも、予想外の事態が起こった場合に備え、頭に入れておきたい知識と言えます。

メーカーとやり取りするケース

実際にはリースという形ではなく、割賦もしくは一括購入になるものと思われますが、メーカーから直接コピー機を購入・もしくはリースする場合、代理店を介さないのでトラブルが発生するおそれがありません。

金額が指定される場合も考えられるため、必ずしもお得になるとは限りませんが、選択肢の一つとして覚えておくとよいでしょう。

ルール適用外のメーカーを選ぶケース

代理店を介してコピー機のリース契約を結ぶ場合、基本的に業界ルールを離れた契約はできません。
しかし、どのメーカーにも適用されているわけではなく、一部メーカーは自由に代理店を選ぶことを認めています。

広く知られているメーカーが、シャープ・ムラテックの2社です。
他にも、交渉次第で対応してくれるメーカーが見つかるかもしれませんから、詳しくは代理店に相談することをおすすめします。

おわりに

代理店だけを変えて現在と同じメーカーのコピー機を入れ替えることは、現状に限って言えば、決して楽な話ではなさそうです。
ただ、代理店による顧客保護の姿勢が、公正取引委員会側でも問題となり得ると回答していることから、将来的には何らかの形で変わっていくかもしれません。

メーカー・代理店ともに、自由競争を認める姿勢を打ち出した方が、OA機器業界の発展につながるという一面は否定できません。
本来、いつまでも同じ顧客が同じ代理店を選んでくれるかどうかは、サービスや機器の質に応じて判断されるべきものだからです。

社会主義が崩壊した理由の一因として、競争がなくなって労働者の勤労意欲が低下し、その結果として生産性の低下・経済の停滞につながったことがあげられます。
OA機器業界の慣習が、業界全体の衰退に影響しないよう願うばかりです。

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