コピー機の印刷速度や速さについて
メーカーでの違いや速さで選ぶ時の注意点やポイント

オフィスにコピー機や複合機を導入しようとする際に、選ぶ基準や決めては事業や規模によって異なります。
しかしながら、多くの企業や事業主にとって、コピー機の印刷速度においては、気になるポイントでもあり悩みの種の一つです。

当然、速ければ速いにこしたことはありませんが、高機能なものほど本体価格が上がる傾向にあります。
今回は、コピー機における「メーカーごとの速度の違い」に焦点を当てて、各メーカーの特徴をご紹介しつつ、コピー機の速度というテーマでお届けしていきます。

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コピー機の印刷速度をはかる基準について

コピー機を使って印刷をするにあたっては、当然速度が速ければ速いだけ使うスタッフのストレスや仕事の停滞がなくなります。

ですが、印刷速度を調べたり比較しようと思うと、その基準を明確にしなれば正しい速度比較にはなりません。
コピー機を使って印刷する際に、印刷速度をはかる場合、主に注目すべき点は3点ほどあります。
以下に詳細をご紹介します。

コピー機が立ち上がる時間

そもそも、コピー機はきちんと起動してからでなければ印刷できません。
操作ができるようになるまで一定の時間がかかるため、この時間が短ければ短いほど、コピーにかかる時間も短くなります。

一般的には、ウォームアップタイム・ウェイトタイムなどと呼ばれます。

冬場になると、寒い分時間が長くなってしまうこともあります。
また、長時間使わずにいるとコピー機はスリープモードになるため、そこから復旧する場合も同様の時間がかかります。

立ち上がってから印刷が始まるまでの時間

起動後、コピーボタンを押してから最初の一枚が印刷されるまでの時間になり、ファーストコピータイムなどと呼ばれます。
スリープモードから再び立ち上がる場合、立ち上がり時間と印刷開始時間を合わせるとそれなりに長い時間になることから、急いでいるときはストレスに感じてしまう方も多いと思います。

よって、今回は印刷速度をはかる基準として取り上げてみました。

A4紙を(横で)1分間印刷してかかる時間

コピー機の性能を示すために、事業で最も使うであろうサイズはやはりA4サイズになります。
そのため、多くはA4紙を複数枚印刷する際にかかる時間を、1分あたり何枚になるかという表現する方法で使われています。

コピースピードなどと呼ばれ、印刷効率を求める人にとっては重要な基準になります。
業務用機器であればスピードが速いというわけではなく、あくまでの機種の性能に依存します。

コピー機のメーカーで速度の差はそれほど無い

そもそも、一口にコピー機のメーカーと言っても、リース会社に勤めた経験でもない限り、コピー機の会社について深く知る機会のある方は少ないのではないでしょうか。
日本で名前をよく聞くメーカーを挙げると、以下のような会社があります。

  • 富士ゼロックス
  • 東芝テック
  • シャープ
  • リコー
  • キヤノン
  • ムラテック
  • 京セラ
  • コニカミノルタ
  • ブラザー
  • エプソン

これらのメーカーのうち、印刷速度に特に力を入れた製品を取り扱っているメーカーは、果たしてどれくらいあるのでしょうか。

結論から言えば、メーカーによって大きな差があるということはありません。
どちらかと言うと、メーカーによってというよりも、取り扱っている商品、いわゆる商品ランクによって、速度の差が生まれると言った方が正しいかもしれません。

機種それぞれの「印刷速度レベル」はある

コピー機は、その機種それぞれで印刷速度が異なります。
一概にメーカーごとに速度を測っても、比較対象にバラつきが生まれますから、正確な数字をスペックごとに比較するのは難しいところです。

とはいえ、それぞれのメーカーにおいても「仕事が早い」機種はいくつか存在します。
先に挙げたメーカーごとに、印刷速度が速いモデルに注目して紹介していきましょう。

富士ゼロックス

富士ゼロックスは、「ApeosPort-VI / DocuCentre-VI シリーズ」を例に挙げたいと思います。

印刷速度は、A4横・カラー・モノクロ印刷であれば、1分間に70枚のコピーが可能とされています。
ちなみに、ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:3.3秒
  • カラー :4.1秒

東芝テック

東芝テックは、「e-STUDIO7506AC」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラーは75枚/分・モノクロは85枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:4.1秒
  • カラー :5.4秒

シャープ

シャープは、「MX-6540FN」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラーは62枚/分・モノクロは65枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:4.0秒
  • カラー :5.6秒

リコー

リコーは、「RICOH MP C8003」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラー・モノクロともに80枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:4.8秒
  • カラー :6.4秒

キヤノン

リコーは、「iR-ADV C7580」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラー70枚/分・モノクロ80枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:4.4秒
  • カラー :5.4秒

特筆すべきは、ウォームアップ(電源を入れてコピーできるようになる)までの時間が30秒程度という点です。
コピー機を立ち上げてからすぐ利用したい場合でも、すぐに利用できるというメリットがあります。

ムラテック

ムラテックは、「MFX-C3690」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラー・モノクロともに36枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:5.3秒
  • カラー :6.9秒

他のモデルと比べると、少々スピードが遅いようです。
これは、ムラテックがコピースピードの高い機種を扱っていないことが一因です。
それなりの枚数が印刷できればOKというスタンスと言えるかもしれません。

京セラ

京セラは、「TASKalfa 8052ci」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラーが70枚/分・モノクロが80枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:4.9秒
  • カラー :6.1秒

コニカミノルタ

コニカミノルタは、「bizhub C754e / C654e」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラーが60枚/分・モノクロが75枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:3.6~3.7秒
  • カラー :5.3秒

ブラザー

ブラザーは、「MFC-L9570CDW」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラー・モノクロともに31枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:16秒
  • カラー :17秒

ちょっと他のラインナップに比べると弱い印象があります。
全体的にコンパクトな機器が多く、中小企業・個人事業主向けと言えるかもしれません。

エプソン

エプソンは、「LX-10000Fシリーズ」を例に挙げます。

印刷速度は、A4横でカラー・モノクロともに100枚/分となっています。
ファーストコピーの速さ(スタートボタンを押してから最初にコピーされるまでの時間)は以下の通りです。

  • モノクロ:6.2秒
  • カラー :6.2秒

1分あたりの速さは今回取り上げたメーカー・機種の中では最速と言ってもよいレベルで、大企業や印刷物が頻繁に必要になる業種であれば重宝するでしょう。

重要になってくるのはラインナップ

各メーカーの機種をご紹介してきましたが、これらの機種以外にも数多くのラインナップがそろっています。
また、ユーザーによって必要十分な機能はさまざまですから、一概に「速さ」だけを競って判断するのは難しい面もあります。

また、速いという基準も人や事業それぞれで、個人事業主の「速い」と、大企業の「速い」とでは、やはりニュアンスが異なってくるのは否めません。
そこで次はメーカーにこだわらず、どのような機器があるのか、ラインナップについてご紹介していきます。

主要オフィス向け複合機

もっともポピュラーな複合機(コピー機)になります。
基本的にはA3カラーが印刷できるスペックが基本になり、最低限の印刷機能だけの機器からスピード・機能ともに充実しているハイスペックのものまで様々です。

A3印刷を必要としないユーザー向けに、A4カラー印刷のスペックというコンパクトタイプもあります。
価格も一般的なものに比べて低く抑えられています。

また、先にご紹介したとおり、高速機の取り扱いを行わず、中速程度の速さで勝負しているメーカーもあります。
このあたりは、ユーザーの必要性に応じて選べば問題ありません。

中速機であっても、クラウド・モバイル対応となっている機器は少なからず存在しており、デジタル化・ペーパーレス化の波は拡がっているという印象です。

店舗サービス向け複合機

店舗サービスと聞いて「?」マークを頭に思い浮かべた方もいるかもしれません。
簡単に言うと、コンビニなどのコピーサービスなどに利用するタイプの機種です。

印刷機能自体も決して悪くはなく、中速機レベルのスペックを実現している機器も稼働しています。

多くの方がコンビニでコピー機を使う場合、このような店舗サービス向け複合機を利用することになるわけですが、その他の機能も充実しています。
USBメモリーを使って、スキャンした文書データを持ち帰ることもでき、こちらもペーパーレス化に対応しています。

決済方法も進化しており、電子マネーに対応している機種も存在します。
人件費削減を模索しているコンビニでは、将来的に導入が必須になる可能性を秘めています。

自治体向け証明書発行システム

自治体向け証明書発行システムとは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に参画している自治体の証明書を発行できるものを指します。
住民票の写しや戸籍証明書などが発行でき、公共施設などでも手に入れられるメリットがあることから、普及が進んでいます。

公的書類の発行だけでなく、コピー機能も備えており、店舗向けのものと同様に料金を入れることでコピーが可能です。
速さも中速機レベルで、オフィスユースに比べて少ない利用者のコピー枚数を考えると、それほどストレスを感じない速さと言えます。

この記事のまとめ

コピー速度を比べる際は、各メーカーによって特筆すべき差が見られる例はそれほど多くありませんでした。
昔であれば色々技術力などの違いなどもあり速度に差はあったのかもしれませんが、今では技術や様々なものが進化しメーカーでそこまでの差はないと言っても差し支えないほど変わらないはずです。

強いて言えば、メーカー側がターゲットとしている層によって、高速機・中速機いずれに注力するかの違いになります。

各メーカーも当然、それぞれに印刷速度の異なるラインナップを用意しています。
よって、コピー機の速さを比べる場合、また、速さを重要視して選びたい場合、メーカーを基準に選ぶのではなく、ラインナップをチェックした方が、違いが分かりやすいと言えます。

速度と言っても過去の経験やビジネス形態、規模などで速い・遅いの基準は大きく変わります。
数値だけで判断したりせず、色々と比較検討したり、実際に今あるプリンターなどで時間を計って待ってみたりなどテストして実際の速度イメージをして選ぶのもおすすめです。

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